「回線速度」と「通信速度」の違い

速度という表現が誤解の元

回線速度とは

基地局からモデム又は終端装置までの通信能力を表します。「回線速度」ではなく、「回線能力」と言った方が分かり易いと思います。水道に例えると、水道管の太さになります。その為、程度を表す時は、「速い遅い」ではなく、「高い低い」と表現する方が適切です。

 

水道設備

回線経路

「速度」と付いているので、よく誤解されていますが、1秒間にどれだけデータを運べる能力があるかであって、データが移動する速度を表すものではありません。回線能力の高さを表現するのに、ロケットやウサギ、乗用車やF1などで表現される事が多く、間違いの元となっています。一般道で行くか、高速道で行くかでもありません。

速さではない

光ならほぼ広告通り、ADSLなら減衰に応じた回線能力が得られており、データを運ぶ電気信号自体は、どの回線でも光速で移動しています。途中、いくつものルーターを通り、ネットワークの混雑も加わって、多少、遅延が発生します。大阪-東京間で十数~数十㎜秒です。その遅延の影響で、光の様な高い能力の回線を引いても、全ての能力を使い切る事は、まず出来ません。それどころか、普段、利用している時の通信速度は、動画でも数メガ以下なので、遅延の限界以前に、ほとんどの回線能力が無駄になっています。

回線速度の調べ方

 

通信速度とは

1秒間にどれだけのデータ量が遣り取りされているかを表します。「通信速度」ではなく、「通信流量」と言った方が分かり易いと思います。水道に例えると、蛇口から出てくる水の勢いになります。その為、程度を表す時は、「速い遅い」ではなく、「水の出が良い」のように、「良い悪い」と表現する方が適切です。

水が出る

通信データを取り出す

普段の通信流量は、皆さんが思っているほどの量ではなく、数メガ以下で、必要に応じて絶えず変化しています。スピードテストで出た通信流量でいつも通信が行われている訳ではありません。普段の通信流量は、タスクマネージャーのネットワークタブで見る事ができます

回線速度と通信速度

光でスピードテストは、必要以上に太い水道管を引き、蛇口を全開にして水が勢いよく出過ぎている状態です。普通、そんな事をする人はいませんが、通信ではその様な事が行われています。それどころか、もっと勢いよく出そうとする人が後を絶ちません。

銭湯の水栓

 

回線能力と通信流量のイメージ図

電話線や光ファイバーは細く、水道管の様に太さの変化がないのでイメージしにくいと思います。図にするとこんな感じです。どれでも通信流量は同じなので体感速度は同じです。

ADSLで10Mの通信能力が得られた場合のイメージ図

回線能力のイメージ図10メガ

光100Mのイメージ図

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光1Gのイメージ図(25%に縮小)

回線能力のイメージ図1ギガ

 

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