光なのに、動画が途切れ途切れになったり、ラグが発生するのは「遅延」の影響です。
遅延とは、データを乗せる電気信号が、サーバーまで伝わるのに掛かる僅かな時間です。これが酷いと、ネットが快適に使えなくなります。
光でスピードテストが悪い場合、回線速度が悪いのではなくて、この遅延の悪さを表しています。普段の通信速度は数メガ程度ですが、光でスピードテストが数メガになるのは、相当な遅延が発生している為で、アクション系のネットワークゲームはラグが酷くなり、とても快適に遊べません。ゲームはデータ量の問題ではなく、少ないデータがいかに速く届くかが重要だからです。
ですが、スピードテストは業者によって意図的に間違った使い方がされているので、利用者は根本的な原因が分からないまま、無意味で無駄な出費を強いられてきました。
遅延の状況を見るなら、普通はDOSコマンドの「ping」を利用します。何ミリ秒遅れているか簡単に分かります。スピードテストは1秒間の通信量を見ていて、OSの設定値が影響するので、遅延を見るのには適していません。
遅延の測り方 ネットワークゲームはゲーム内に遅延状況が表示されています。
また、ADSLでスピードテストが数メガなのは、普通、通信能力の影響で、遅延の影響ではありません。この場合、遅延を見るのに、スピードテストの大小を比較しても無意味です。
注意
- スピードテストの結果を良くしようと、RWIN値を大きくしている人は元に戻しましょう。パケットロスが起こると、遅延が余計酷くなります。ネットによく書かれていて常識の様になっていますが、光の回線業者が無駄回線の誤魔化しの為に広めたデマです。RWIN値をいじる必要はありません。それどころか、逆効果です。
遅延の発生源
その遅延が何処で発生しているか調べるコマンドがあります。DOSコマンドの「tracert」です。
例えば、コマンドプロンプトを出して、「tracert yahoo.co.jp」リターンと打つと、Yahoo!サーバーまでの経路途中の遅延が判ります。
一番上の「192.168.0.1」は自宅にあるルーターです。普通は1ms以下です。
その後、回線業者のルーターを幾つも通り、プロバイダーを通って、ネットワークが一同に集まる結節点を通って、ヤフーのネットワークに入り、目的のサーバーに到着しています。最終的には18ms程度で、何ら問題ないレベルです。
途中、高い数値が出初める所があれば、そこが遅くなる原因です。
夕方から夜に掛けて極端に遅くなるのは、プロバイダーの混雑が原因である事が多いのですが、フレッツ光では回線が原因になっている事もあるという噂を耳にします。何でも、NGN網の幹線にあるルーターが原因不明の不具合で処理能力が著しく低下していて、混雑時は光とは思えないほど遅くなるそうです。NGN網はネクストで使われています。そう言えば、プロバイダーは同じで、フレッツ網のBフレッツからネクストに変えたら遅くなったと言う話を聞きます。
海外が遅いのは距離的な影響で、何千キロも離れてくると、軽く100ms単位の遅延になります。東京より北海道の遅延が大きいのも、サーバーが東京に集中している関係で距離的な遅延が出てきます。
何処のネットワーク?
IPアドレスから調べる事ができます。こちらでIPアドレスを検索に掛けます。
注意
- 32分岐説やマンション共有説は本当か?
- NTTからの光ファイバーを分岐し共有することで、スピードテストが悪くなっているとすると、回線業者の最初に出てくるIPアドレスの遅延が酷くなるはずです。上の図でいうと、2番目、1ms以下の数値ではなくなる所です。光回線を32件で共有した程度で能力が一杯に使われる事はまずありませんので、ここの遅延が悪くなる事はありません。
- インターネットは、上流に行くほど大人数で回線を共有しています。NTTの収容局では、32分岐している光回線を繋げた機器を何十何百と置いて、ネットワークに接続しており、数千単位でその回線を共有しています。そのずっと先の様々なネットワークが一同に集まる結節点(インターネット・エクスチェンジ)では、何千万件にもなりますが、そこの利用量をみると、60~180Gbps程度です(JPNICのトラヒック)。もちろん、回線能力は十分用意されています。
- 800万人が利用するOCNの場合、結節点への接続は、メインが東京で100G、大阪で40Gです。32分岐なんてレベルではありません。