遅延の限界

光なら、回線能力的には、ほぼ契約通り得られているのですが、回線能力の限界になる前に、PC-サーバー間の距離による遅延の限界が先に影響して通信速度が抑制されます。末端の通信能力をいくら高くしようが、これが先に影響して、通信速度は、それ以上良くなりません。その為、光の回線能力をスピードテストで確認するには、サーバーに近くなければ出来ません。機器の故障や、回線の不具合ではありません。

更に、ネットワークの混雑が原因の遅延が加わると、その分、通信速度は悪くなります。主にプロバイダーの善し悪しが影響しています。

遅延の限界

 

遅延は遠く離れたサーバーとの電気信号が伝わるのに掛かる僅かな時間です。ほんの数十ミリ秒ですが、数十メガ以上の通信速度になってくると、これの影響で限界になります。スピードテストサーバーは、この遅延がなるべく少なくなるよう条件の良い所(プロバイダーの手前)に置かれている物もあるのですが、それでも距離等の遅延の影響は残り、その位の通信速度になります。海外との通信が遅いのもこの遅延の影響です。海外ともなると百ミリ秒単位になります。

遅延の限界グラフ

スピードテストサーバーの設置位置

 

国内のサーバーは、ネットワークの結節点の関係で主に東京に集中しています。その為、東京から離れると通信速度が悪くなります。特に沖縄では光の様な高い通信能力の回線を用意しても、遅延の影響で大した通信速度にはなりません。それでは、東京から離れた地域の回線業者は、顧客から苦情が増えるので、自分のネットワーク内にスピードテストサーバーを用意し、なるべくスピードテストの結果が良くなるようにしています。

スピードテストサーバーの分散

ある回線業者のスピードテストサーバー

 

上りが下りより速いのは何故か

距離による遅延は同じですので、PCとスピードテストサーバーの設定数値が違うためです。光は上りも100Mが売りなので、上りもなるべく100Mに近い通信速度が表示されるように、スピードテストサーバーの設定数値を高くしています。下りは顧客のPCの設定次第ですので、XPの頃はレジストリをいじって下りを良くする方法を説明し、良い通信速度が出るようにできたのですが、Vistaから自動設定になり誤魔化しが効かなくなりました。上りはそのままなので、上りの方が良くなる場合があります。