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スピードテストが遅い原因は? - 光なのに・・・ 他

ライターさん(最終更新日時:2013/10/18)投稿日:

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長い通信経路


 

原因の切り分けが重要です。


回線のせいばかりではありません。下の図のように色々な原因があり、それに合った対応をしないと無駄な費用と労力が掛かるばかりで徒労に終わります。スピードテストはPCとサーバー間の通信速度ですので、取りあえず遅いと言うことは分かりますが、原因の切り分けは出来ません。


 

データの流れ ↓上り ↑下り


PC............PC ←------ 1.本体やソフトの不具合
|...............:
(ハブ).........:
|...............: ←------- 2.ケーブル異常、電波強度・干渉
ルーター・無線 ←----- 3.機器の故障

モデム ←-------- 4.モデムの故障
| ←---------- 5.回線能力通信規制
NTT等の基地局
| ←---------- 6.回線業者のネットワーク
プロバイダー
| ←---------- 7.プロバイダーの混雑 (原因特定
インターネット

目的のサーバー ←---- 8.混雑等による処理待ち


......................................................... 9.遅延の限界


 


今まで普通に使えていたのが、急に異常に遅くなったり、使えなくなった場合

 

LAN

 LAN

 

  • 機器の故障

ハブやルーターが何年も前の物なら、怪しそうな機器を外して原因を切り分けます。買っても、ハブなら1000円位、ルーターなら2・3000円です。普段は数メガ以下の通信速度です。今は安い物でも十分な能力があります。

  • コネクタの不良

LAN接続が頻繁に切れるのは、コネクター部分が接触不良を起こしている可能性があります。問題のありそうなコネクター部分を軽くグリグリしてみて、切れたり繋がったりしたら、そこが原因です。

  • LANケーブルの能力

LANケーブルは現在店頭で売られている物なら能力的な問題はありません。カテゴリー7が置いてあったりしますが、必要のない能力です。安い物で十分です。100円ショップで売っている物でも問題ありません。

 

  • 無線LANの通信能力

無線LANが原因かどうか見るには、有線にして原因を切り分けるのが簡単です。無線部分にどの位の通信能力(リンク速度)が得られているか確認する事も出来ます。実際の能力は、リンク速度から無線制御分を抜いた約半分になります。11n規格のリンク速度は箱書き通りではなく、もう少し複雑です

  • 無線LANの電波干渉

無線LANの普及で親機同士の電波干渉もよく起こっています。多くの親機や子機が無線LANを利用している場合、リンク速度が速くても、電波利用の順番待ちになり、遅くなります。場合によっては使えなくなる事もあります。電波が重ならずに同時利用出来るのは、ご近所も含めて実質3台まで。11nでは2台までです。

電波干渉

無線LANの電波干渉

  •  制限付きアクセス

IPアドレスが割り振られなかったり、プロバイダーの接続認証が通っておらず、ネットに繋がっていない場合に起こります。

 

制限付きアクセス


 

回線


モデムにアクセス出来れば現在の回線能力が分かるので、回線が原因かどうかはそこで分かります(モデムのアクセス方法)。モデムのランプ表示でもある程度分かります。モデムの故障は、回線業者に連絡すれば交換してくれます。回線能力は業者側でも分かります。基地局側の機器が壊れていることもあります。(4.モデムの故障)

回線業者が機器の点検や交換を行っていたり、トラブルが起こっている事があります。業者のサイトで確認できます。こっそりトラブル対応していることもあります。点検や交換なら30分ぐらいで回復します。(6.回線業者のネットワーク等)

ADSLはこちら。
突然、インターネットが遅くなった/切れた時の対処法 - ADSL編


PC

ブラウザの表示が異常に遅いなどの原因がソフト的な場合、ブラウザの履歴の消去やリセットを行うことで解消する事があります。( 1.本体やソフトの不具合)

初心者でもわかる! IE でインターネット一時ファイルと履歴の削除
IEのリセット方法
 「ツール」 → 「インターネットオプション」 → 「詳細設定」タブ → 「リセット」
IE7IE8IE9




夕方から夜にかけて遅い場合


大概「7.プロバイダーの幹線の混雑」です。こちらではどうしようもないので、プロバイダーに苦情を入れて改善されるのを待つか、良好なプロバイダーに変更するしかありません。Youtubeの普通画質は0.5M程度の通信速度です。それでも夜になると遅いと言う話を光系でよく聞きます。この場合、末端の回線能力をいくら用意しようが関係ありません。ADSLから光に変えて遅くなっても何らおかしくありません。

ADSL12Mから光にしたのに体感速度が遅くなった。その理由は・・・
ネットが重い/動画が止まる/ラグが発生する原因を特定する方法 

夜になるとスピードテストが遅いぐらいでしたら、混雑の可能性がありますが、プロバイダーで帯域制限している事もあります。混雑する時間帯に無意味なスピードテストで帯域を圧迫されても周りが迷惑なので、そのような措置が取られます。

注意


  • フレッツ光の場合、回線が原因という話があります。

    プロバイダーと回線業者を繋ぐ回線側のルーターの調子が悪くて、当初、予定通りの能力が出ず、ちょっと混んでくるだけでとんでもなく遅くなる事があるそうです。この場合、そのルーターを通らない回線業者の用意するフレッツスクエアのスピードテストが良くても原因の切り分けはできません。 ネットワークとスピードテストサーバー




特定サーバーのみ遅い場合


普通は、「8.混雑等による処理待ち」か、その周辺の問題です。こちらではどうしようもありません。改善するのを待つしかありません。


最近は、個人のサイトでも、アクセスする毎にページを生成するサイトが増えています。これを共有サーバーで利用している事が多いので、反応が遅いサイトがよくあります。ブログの反応が遅いのも、その為です。

フレッツ光には特有の現象があります。(6.回線業者のネットワーク)

フレッツ光もっさり問題 - まるでインターネットの風土病






モバイル系の回線で突然遅くなった場合


モバイル系の回線では、通信量が多い人に対して、回線能力を128kbps等と極端に絞る帯域制限が行われます。(5.回線の得られている通信能力)

 


WiMAXだけ極端な規制はしてません。一番厳しいのはソフトバンク系のサービスです。絶えず混雑しているので、規制が掛かったら一月遅いままです。規制解除には追加料金が必要です。 

データ通信の通信規制一覧

366MBは、YouTubeを普通画質で1時間30分見た位のデータ量です。




 

機器の故障や混雑が原因で無い場合

 

光回線


光なら、回線能力的には、ほぼ契約通り得られているのですが、回線能力の限界になる前に、「9.PC-サーバー間の距離による遅延の限界」が先に影響して通信速度が抑制されます。末端の通信能力をいくら高くしようが、これが先に影響して、それ以上良くなりません。その為、光では回線能力をスピードテストで確認するには、サーバーに近くなければ出来ません。機器の故障や、回線の不具合、ネットワークの混雑ではありません。

 

更に、ネットワークの混雑が原因の遅延が加わると、その分、通信速度は悪くなります。主にプロバイダーの善し悪しが影響しています。


回線速度、通信速度、遅延

 


遅延は遠く離れたサーバーとのデータ転送に掛かる僅かな時間です。ほんの数十ミリ秒ですが、数十メガ以上の通信速度になってくると、これの影響で限界になります。スピードテストサーバーは、この遅延がなるべく少なくなるよう条件の良い所(プロバイダーの手前)に置かれている物もあるのですが、それでも距離等の遅延の影響は残り、その位の通信速度になります。海外との通信が遅いのもこの遅延の影響です。海外ともなると百ミリ秒単位になります。


遅延の限界


国内のサーバーは、ネットワークの結節点の関係で主に東京に集中しています。その為、東京から離れると通信速度が出にくくなります。特に沖縄では光の様な太い回線を用意しても、遅延の影響で大した通信速度にはなりません。それでは、東京から離れた地域の回線業者は、顧客から苦情が増えるので、自分のネットワーク内にスピードテストサーバーを用意し、なるべくスピードテストの結果が良くなるようにしています。


スピードテスト分散

ある回線業者のスピードテストサーバー


しかし、普段の利用では数メガ以下の通信速度です。スピードテストの結果が何時も出ている通信速度ではありません。回線能力は光ならほぼ契約通り得られています。特別に用意されたサーバーとの通信速度に一喜一憂する必要はありません。現在、スピードテストは、元々の回線能力を簡易的に確認する為の仕組みではなく、無駄な回線を引いている事を悟られないようにする為の仕組みに変化しています。よく「信憑性があるスピードテストサーバーで計測しろ」と言われていますが、その結果は無意味です。ただ単に遅延が変化しているだけです。あれこれする必要はありません。特にレジストリをいじる必要はありません。レジストリ云々は、ブロードバンドに対応していなかった初期のWinXPの話です。XPでもSP1以降は最適な数値になっています。もう10年以上前の話が光回線業者の影響で未だに流布されています。

 光回線の通信能力と普段の通信速度

 


 

 参考

上りが下りより速いのは何故か


距離による遅延は同じですので、PCとスピードテストサーバーの設定数値が違うためです。光は上りも100Mが売りなので、スピードテストサーバーの設定を上りもなるべく100Mに近い通信速度が表示されるように高い数値に設定されています。下りは顧客のPCの設定次第ですので、XPの頃はレジストリをいじって下りを早くする方法を説明し、良い通信速度が出るようにできたのですが、Vistaから自動設定になり誤魔化しが効かなくなりました。上りはそのままなので、上りの方が良くなる場合があります。



 

ADSL


NTTからの距離等により通信能力が大きく変化します。普段は数メガ以下の通信速度なので、NTTに近ければ十分な通信能力が得られるのですが、あまり距離がありすぎると、通信能力が低くなります。正確な回線能力はモデムにアクセスして確認します。特に50M契約では、NTTに近いと遅延の限界が先に来て、スピードテストでは回線能力を確認出来ません。通信能力が大きく変化する回線では、他人の感想は参考になりません。自分の条件を見極める事が重要になります。(5.回線の得られている通信能力)

ケーブルテレビ


ケーブルネットはツリー上のネットワーク構成をしており、流合雑音の問題があります。流合雑音は所々の小さなノイズが基地局にたどり着く頃には大きく影響して、ネットワーク障害を起こします。特に上りに影響を与え、障害が発生すると上りが極端に遅くなります。酷いと全く通信できない事もあるそうです。



 

WiMax


使用する電波帯の特性で直進性が強く、建物の中など遮蔽物の有る無しが大きく影響します。なるべく、見通しの良い電波の来てそうな窓際に端末を置くことで、通信能力が大きく変わります。(5.回線の得られている通信能力)

窓際WiMax

 無線LAN側の問題で遅くなる事もあります(2.電波強度・干渉)。持ち運び用の端末は、行く先々で電波干渉しないよう、LAN側の電波が2・3メートル位しか飛ばない出力になっています。隣の部屋などでも使う時は、クレードルを利用してLAN配線にしたり、無線親機を接続します。

現在使っているLANに接続する場合は、利用しているモデムを外し、必要ならルーターやスイッチングハブの接続を見直します。WiMax端末を窓際など電波状況の良い所に置いて、近くまで来ているLAN端子につなげば、そのまま既存のLANが利用出来ます。端末は、持ち運び型だけでなく据え置き型もあります。


WiMax化前

WiMax化後

 無線LANルーターの接続

図解 自分でできる家庭のインターネット - LANの基礎知識